2009年10月30日金曜日

窯焚き

ありがとうございます
10月27日、教室の窯焚きをいたしました。

陶芸の窯の焚き方は、大きく分けて、酸化還元の二つがあります。

専門的には、焚き方の事を「雰囲気」と云います。

酸化(正しくは、酸化焰焼成)は窯内をマイナス圧に、還元(還元焰焼成)はプラス圧にします。灯油窯の場合、炎(バーナー)そのものの操作もしますが、基本的には煙突の引きを調節して、どちらかの雰囲気を作ります。例えば還元なら、煙突の引きを押さえ、窯内を酸欠の状態にします。そのため、酸素を欲しがる雰囲気の窯内で、粘土や釉薬(うわぐすり)の酸化物から酸素が奪われ還元されるのです(一酸化炭素の還元作用)。その化学変化で、同じ釉薬であっても、酸化の場合とは全く異なる焼き上がりになるものもあります。有名な焼き物を例にとると、鉄の還元で「青磁」、酸化だと「黄瀬戸」。銅の酸化で「織部」、還元で「辰砂」と云ったところです。


さて、今回の雰囲気は、還元です。熱効率と、焼きムラを押さえるため、満タンに詰めます。 
(画像はクリックすると大きく見られます)




窯内400度の炎。一時間置き位に、燃料と、空気の調節をして行きます。



1000度を越し、還元(陶芸的には攻めと云う)に入ります。

バーナーへの空気の供給を下げ、煙突の引きを押さえます(ドラフトと云う、空気ダンパーで行います)。
プラス圧になるので、色見栓を外すと、遊離炭素を含んだ不完全燃焼の炎が吹き出します。

この教室は、強還元で焼きます。



約14時間で、1270度近くまで持って行き、終了です。
自然徐冷(当方では酸化は急冷します)で二日間冷まし、窯出しです。
ふたを開ける瞬間・・・緊張します。







作品棚に並びました。


ホームページでの紹介と共に、このブログでも、窯出し毎に幾つかの作品をピックアップし紹介して参ります。御期待下さい。

2 件のコメント:

  1.  一度窯詰めから窯出しまで見学したいと思います。

    焼成のワクワクした気持ちを是非味わいたいです。

    ブログの写真にチラッとひまわりのお皿が見えました。
    本物をすぐにでも見たいです。

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  2. シナモンさん
    そうですね、いつか是非。

    ただ、ワクワクと云うより、ドキドキ?
    ・・・緊張感の方が大きいです。

    ひまわり皿、良く上がりましたよ~!

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