2010年7月25日日曜日

おなめ


「おなめ」ってご存知ですか?
秩父地方の伝統料理で、麦と大豆から成る、「おなめ麹」を発酵させたお味噌です。既成の物は、「金山時味噌」(もろみ味噌)の様な物です。

父が、戦時中、越生(おごせ)に疎開した関係で、おなめを知って居り、私が小学生の頃、父の知人を介して取り寄せた麹で、おなめを仕込んでくれました。

麹に、塩、水、賽の目に刻んだ、なす、きゅうり、生姜等と共に漬け込みます。毎日かき混ぜ、塩が馴染む三日後位から頂きます。父が仕込むそれは、味噌と云う感じではなく、水気の多い、さらさらした物なのですが、それを、ご飯に掛けて頂くのです。ナスの色が出る所為もあって、見た目は、非常に悪いのですが、実に美味で、食欲の減退している真夏でもご飯がすすみます。

戦時中は一杯のご飯に、ひと匙のおなめだけと云う食事もざらであったそうで、ご飯を頂けるだけでもありがたかったのだそうです。

その味が忘れられず、その後も麹を取り寄せたり、既成の品を買ってみるのですが、麹はその時の様な物が手に入らず、また、既成の物は、手作りのそれとは全く違うものでした。

夏になると思い出し、ネット検索などでここ数年もずっと探していたのですが、つい最近、ある方のブログに、当時のそれに近い麹で、おなめを仕込んだという投稿を発見。失礼ながら、メッセージを送り問い合わせてみました。すると、「JAちちぶ」の直販所で、購入されるとの事、「JAちちぶ」さんに問い合わせると、大変親切に、色々と調べて下さり、ついに、その麹の販売元が判明。取り寄せました!

それが、これ。「なめもの麹」とあります。 


ブログの方の作り方も、この麹の袋に書いてある作り方も、味噌状に仕上げるもので、「もろきゅう」の様に、野菜などに付けて食べるようです。・・・実はそれが一般的なのだと思います。父のやり方の、さらさらの物は、野菜から出る水の所為か、もしくは、食糧難の当時の、水増しなのかも知れません。

折角なので、両方仕込んでみました。

こちらが、正調?!おなめ。


塩、水を加え、よ~くかき混ぜて、発酵を待ちます。(数日間)
ブログの方のやり方を真似、直射日光に当てちゃいます。

こちらは、父流。


予め塩もみした、沢山の野菜と共に・・・。


後は、完成を待つばかり。

4 件のコメント:

  1. 父上の方の最後の写真、すごく美味しそうで楽しみだね。
    あ、もうたかって食べる気でいる田端一彦であった。

    返信削除
  2. バカボン様
    あ~、バカボンってこう云うもの好きだよね。
    夏中、何度か仕込むんで、必ずご馳走します。

    返信削除
  3. また覗いてしまった。このおなめ写真が気になる。冷やしたのをチコリとかにのせるイメージ。シャンパングラスに山芋の擦った上にのっけて、その上に人参のジュレの三層にしたイメージ……。勿論、白飯の上にかけてしめる。

    返信削除
  4. くっくっくっ・・・出来てしまったよ!
    今日から食べてる。
    なっつかし~い!うま~い!
    30数年振りにまた会えた、この味。
    必ずご馳走するからご安心を。

    完成報告も近日アップします。

    返信削除